記事公開日:2020.04.14 | 最終更新日:2024.12.15
マタニティフォトを和紙で作品にしています。
今回はスタジオモーツァルトでプリントする際に使用して
いる紙の種類についてお話しします。
マタニティフォトは画像?写真?
令和の現在、写真と呼ぶより画像データと呼ぶほうが
しっくりいくのかもしれませんが・・・
自分的には“画像”よりは“写真”の方が愛着が湧きます。
ですので撮影した写真を画像データとしてモニターのみで見て完結という気持ちにはなかなかなれません。
(もちろんデジタル画像データの利便性の良さ…なども理解した上でです。)
特にマタニティフォト、ベビーフォト、ファミリーフォト
のようなプライベート感の高いポートレートは
紙にプリントと考えています。
マタニティフォトをプリントで作品にする理由?
若い頃、雑誌や広告の撮影を行うとよく、担当者から
「コーヒーを撮影するならその香りを撮れ…」
「海の撮影をするなら波の音を感じられるように撮れ…」
マタニティフォトは奇跡の写真とも言われています。
まだ、具体的には会っていないけどテレパシー(直感)でやりとりが行われている頃です。
私は常日頃、そのテレパシーを感じるような写真を目指しています。
大切な時間(瞬間)を切り取り、作品にしていきます。
何故プリントをおすすめなのかは?
そうして出来上がった作品(プリント)は額装にしてリビングに飾ったり、台紙仕上げにします。
ここで完成となりますが…
実はここからがスタートだと思ってます。
台紙仕上げの場合はたまに、出して見直したり(育児でお疲れの時とかに自分を癒してくれるようです)
額装の場合は、毎日のように何気に目に入ってきたり…
どちらにしても大切に過ごしていた時間が蘇ります。
何年かすると額装は少しフレームの色が壁に馴染んできたり、台紙仕上げは少し台紙の端がほつれてきたり、
お子様の成長とともに歴史を感じさせてくれます。
言わば、デニムがいい感じで馴染んでいくのと一緒です。
10年、20年経った時の新品と違う感を味わっていただければ・・・
そのような思いからプリントにこだわっています。
マタニティフォトで使用している紙は和紙。
どんなに素敵な料理でもお皿が合わなければ…
盛り付けが合わなければ…台無しです。
写真も同様です。
マタニティフォトを一般の方に向けて始めるにあたり
かなりの種類の紙でプリントしてみました。
「風景写真ならばこの紙はいいな…」
「ん、風景でも雨がシトシトと降っているような写真はこの紙はダメだな…」とか。
私が求めているモノクロームのマタニティフォトプリント
バックの黒が柔らかすぎない
マタニティフォトのバックをモノクロ・黒バックで考えた場合
背景の黒がやわらかすぎ(ねむい感じ)だとお腹の肌色が生きてこない。
バックの黒が固くなりすぎない
逆にバックの黒が硬すぎると日本人(アジア人)の肌色では良さが出てきません。
(黒人の肌色にはおすすめです)
人物の肌が固くならない
優しい感じを伝えるには人物の肌が固くならないように…
透明感を感じような肌色
妊婦の神々しさを出すためには透明感です。
全体的に深みを感じる質感
そして深みある全体感(奥行きを感じられるような…)
ざっくりですが以上を気にして色々と試してみました。
マタニティフォトを福井県越前市の和紙でプリント
私の思いを満たしてくれたのが福井県越前市の和紙でした。
越前和紙とは
かつて室町時代から江戸時代にかけて「越前奉書」や「越前鳥の子紙」などの越前和紙は公家や武士階級の公用紙として重用されて全国に広まりました。
江戸時代に産地を支配した福井藩は越前和紙を藩の専売として利益をあげるとともに技術の保護や生産の指導を行ってきました。
寛文5年(1665年)には越前奉書に「御上天下一」の印を使用することが許可されます。正徳2年(1712年)の「和漢三才図会」では「越前鳥の子紙が紙の王にふさわしい紙」と評されています。
奉書紙の格式や紙幣の歴史もあり現在でも証券や証書などに正式の用紙として越前和紙が使用されています。
ちなみに和紙にもたくさんの種類があり私が使用している和紙は「局紙」という種類になりさらにいうとその曲紙もたくさんの種類があります。
参考までに「曲紙」は普段みなさんが毎日のように手にしている馴染みのある紙です。何かというと・・・「お札」です。お札は曲紙で作られています。(同じ局紙でもお札に使用している局紙と私がマタニティフォトでプリントしている局紙は異なります。)
この越前和紙、その品質が高く評価されて多くの画家やアーティストの作品制作に使用されています。
もちろん私も作品展などでもよく使用しています。
マタニティフォト以外にもベビーフォト、ファミリーフォトも越前和紙(局紙)で仕上げています。
より広い階調性をお楽しみいただけると思います。漂白したような純白とはまた違う温かい色味や独特のパール感、手触り…
ぜひ実際に手に取ってみてください。
(2020年4月14日 リライト・記事更新しました)
マタニティフォト専門撮影スタジオ「モーツァルト」
当スタジオで撮影された
お客様の声
User Voice
マタニティフォト専門スタジオ「モーツァルト」は、おかげさまで4000人以上のお客様にご利用いただき、多くの写真掲載許可と嬉しいお声をいただいております。
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